【美しき歌詞の世界】春の訪れの描写と感情の表現が美しすぎる【春よ、来い】
美しき歌詞の世界へようこそ。
どうもPOPOです。
歌詞は音楽を彩る花束のようなもの。
このコーナーでは、その歌詞の世界を紐解いていきましょう。
歌詞の解釈は十人十色、千差万別。
答えは一つではありません。
皆さんもぜひ、それぞれの解釈で美しき歌詞の世界に浸って見てください。
※楽曲自体やアレンジ、メロディーあっての音楽で有ることは重々承知の上です。
その中でも、歌詞にフォーカスを当てて行くコーナーです。
では、第一回めである今回のテーマは
春よ、来い/松任谷由実
風景の歌詞と感情の歌詞をうまく入れ込み、美しい世界観を生み出しています。
このお手本のような歌詞の世界を紐解いて行きます。
まずは冒頭のこの歌詞。
淡き光立つ 俄雨
いとし面影の沈丁花
溢るる涙の蕾から
ひとつ ひとつ 香り始める
沈丁花という花をモチーフに春の訪れを表現しています。
沈丁花についてはこちら↓
土手や線路沿い、ご近所さんのお庭など、可愛らしいシルエットとやさしくも独特な香りに春の訪れを感じた経験をした人も少なくないのでは?
特徴的な蕾の形を「溢るる涙」と表し、蕾が開花しあの芳しい香りが漂ってくるさまが、不思議と鼻孔をくすぐります。
それは それは 空を超えて
やがて やがて 迎えにくる
その香りを伴って、街中に春が訪れるワクワク感とともに、サビへ向かいます。
春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに
愛をくれし君の なつかしき声がする
ここまで世界が春に満ちあふれていくなか「遠き春よ」と歌います。
ここで言う「春」は、きっと季節の春ではないのです。
恋をすることを、人は「春が来る」などと表現します。
そうです。この曲は、過去の恋を想い歌われたものだと、わかるのです。
君に預けし 我が心は
今でも返事を待っています
どれほど月日が流れても
ずっと ずっと 待っています
しかし、その恋は叶わなかったものだと歌われます。
想いを伝えはしたものの、返事をもらえず終いといったところでしょうか。
いい返事でも、そうでなくても、早く返して上げるほうが双方のためになると思うんですがね。まあ、それはおいておきましょう。
それは それは 明日を超えて
いつか いつか きっと届く
思いがいつか届くと信じる気持ちとともに、サビへと向かいます。
春よ まだ見ぬ春 迷い立ち止まる時
夢をくれし君の 眼差しが肩を抱く
このサビの歌詞から、この恋が今も素敵な思い出となって残っていることが伺えます。
人生に迷ったときも、かつての想い人の記憶が前に進む勇気をくれるのです。
夢よ 浅き夢よ 私はここにいます
君を想いながら ひとり歩いています
流るる雨のごとく 流るる花のごとく
ここまで「遠き春」と歌ってきた恋ですが、「浅き夢」から目覚めたときのように今にも滑り落ちてしまいそうでも、はっきりと思い出せる恋。
その恋に想いを馳せながら、人生を歩んでいくのです。
今までも、これからも。
風景描写から始まり、一気に感情的な歌詞になり切なくも大切な恋の想いを歌い上げます。
ユーミンらしい、本当に美しい歌詞ですね。
歌詞には大きく分けて2つ、情景を表す「風景の歌詞」と、気持ちを表す「感情の歌詞」があります。
風景から、徐々に感情が出てくるような歌詞は、やはりきれいで感情移入もしやすく、心に残るものが多いとおもます。
「春よ、来い」紐解いて行きましたが、いかがだったでしょうか。
結構王道な解釈でしたが、美しい歌詞の世界を感じていただけたでしょうか。
また、「美しき歌詞の世界」でお会いしましょう。
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