#3 こうして私は派遣詐欺にあった～本当にあった派遣詐欺経験談～

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早い採用の連絡に驚きましたが、安心したのも事実です。
安心してしまったのです。
不安な日々に終わりが来る。
妻にも安心させてあげられる。
これでよかったんだと。

電話では、どうやら説明会を開くのだという。
その説明会の場所と日時を聞いて、その時の電話は終わりました。

その電話の夜は、遅くまでビールを飲んだのを覚えています。
今考えると、あまりにも滑稽で愚かです。
それでもその時は、本当に安心感と未来への希望で溢れていました。

説明会の会場となったのは、「株式会社レジュメ(仮名)」という会社のオフィスのようでした。

岡山は慣れた素振りで待合室のソファーに私たちを座らせました。
「私たち」というのも、その日は説明会参加した人は20人ほど。男性の方が多かったものの、女性も数名おり、年代も様々。
同世代の方もいましたが、その中でも私が最年長でした。

説明に現れたのは、株式会社レジュメの課長を名乗る人物でした。
内容は今後、グローバルステップで人材派遣業を行うにあたって、派遣社員という立場を身をもって経験すると共に、営業力をつけるために、株式会社レジュメから派遣社員として一般企業へと派遣するというものでした。
待遇はもちろん、派遣社員と同じ待遇。
求人に書いてあったものとは大きくかけはなれた、とても低い物でした。
期間は半年間。

その半年間さえクリアすれば、あの待遇で人材業界で働ける。
ならば半年間、頑張ろうじゃないか！
前職から考えると、給料は家賃1ヶ月分位は減ってしまいます。
しかし、それも半年間のこと。
貯金を切り崩しながらしのごう。
本当に滑稽ですが、当時は本当にこう思っていました。

「パパが決めたことなら、ママは応援するだけです」
そう言ってくれた妻には、感謝しかありません。

そうして、派遣されたのは携帯会社の代理店店舗でした。
派遣社員として、携帯電話の販売する日々が始まったのです。

続く